約 125,791 件
https://w.atwiki.jp/hutati/pages/82.html
369 愛のVIP戦士 07/05/23 21 32 41 ID uHvtFZZ2 どういうことだ。 俺は確かに、姉さんと町を歩いていたはずだ。 その俺のうえに、どうして女がまたがり、さらには接吻をしているのか。 「こらーーーーーーーーー!」 姉さんだ。 一瞬で俺の上にいた女がいなくなる。 「なっ、なにするのよ!」 「それはこっちの台詞よ!おとうとくんは私の物なんだからね!」 姉さんが跳び蹴りで女を吹き飛ばしたのだ。 「もううるさいわねっ!使い魔のくせに!」 前代未聞の事件が、ここに開幕した。 「ゼ ロ の 姉 弟」 俺にキスしていたルイズとかいう女が落ちついた後、俺たち姉弟は説明を受けた。 ここは俺たちの住んでいた地球とは異なる場所であること。 魔法を使える人間が貴族、そうでない者が平民であること。 魔法使いは一人につき一匹の使い魔を使役すること。 大体こんな所だ。わからないところはwikipediaででも調べて欲しい。 だがそんな説明で納得できるはずもなく。 「なんだそれ!勝手に呼び出しといて奴隷になれってか!ふざけんのもたいがいにしやがれっ!」 「なによ!私だって、あんたみたいな平民、呼びたくて呼んだ訳じゃないわよ!」 「だったら早く戻せよ!元の世界によ!」 「できたらとっくにそうしてるわよ!」 どうやらしばらく帰れそうにないらしい。 「おとうとくん」 「姉さん・・・」 「早く帰りたいのは分かるけど、ここはこいつに従った方がいいと思うの。 私達はこの世界のこと、なんにも知らないし。この国ってあんまり治安も良くなさそうじゃない。 悔しいけど、こいつの庇護が必要よ、今の私達には」 確かにそうだろう。 帰れる目処が立つでまは、使い魔をするほかなさそうだ。 「じゃあ、私の家に来なさい」 指図すんな糞。 その夜。 部屋の隅で寝ろと言われた俺はぶちぎれていた。 「家畜か!?俺は家畜か!?ええ!?」 「うるさいわねだまりなさいよ」 そんな俺に姉さんが囁く。 「良い考えがあるの。ひとまずここで寝ましょ」 「文句無いわね?じゃあ寝るわよ。朝は私より早く起きて、朝食をつくるのよ。」 消灯後。 俺の布団に姉さんが入ってきた。 「おとうとくうん」 「なに、姉さん」 「おとうとくうん、お姉ちゃんもう我慢できない・・・」 「ね、姉さん?」 「ね、おとうとくん、しよ」 「こ、ここで!?」 「いいじゃない。ねえ、しよ」 姉さんが服を脱ぎだした。本気か!?あの女たぶんまだ起きてるぞ!? 「ねえねえ」 ついにルイズが起きた。 「う・・・・うるさーーーーーい!!出ていけーーーー!」 結局俺たちは屋根裏部屋で寝た。性的な意味でも寝た。 翌日。 使い魔たる我々姉弟は、主人のルイズについて学校へ行かなければならないらしい。 トリステイン魔法学院とかいう学校へだ。 「トリステイン?」 「どうかしたの姉さん」 「トリステインって、あのゴシックメタルの?」 「それはトリスタニアですね」 「『Illumination』は名盤よ」 「誰も聞いてないっすね」 「それともあれ? ARX-8?」 「レーバテインな」 なんだかんだで午前の授業が終了。 ルイズがなんか色々爆発させたりしていたが、授業中ずっと姉さんに首筋を舐められていたためその辺のことは良く覚えていない。 そして昼休み。 ルイズが言う。 「この食堂は、本来貴族しか使えな・・・・・ ルイズの言葉なんぞを聞いている余裕はなかった。 俺は姉さんに、口移しでスープを飲まされていたのだ。 「んんっ、姉さん・・・・・」 「ち、ちょっとあんた達!聞きなさいよ!」 「えへへおいしかったでしょ」 「本来使い魔は外で 「まだまだたっぷりあるからね~」 「だから、あんた達は床で・・・・ ってもう!聞けえ! 「ごちそうさま♪」 なんだかんだで食い終わってしまった。 事件が起こったのは、その後である。 「まったく、君たち平民という者は、静かに食事をするって事ができないのかい? 大体、実の姉弟だろう?君たちは。何で毎日毎日そんなベタベタしているんだ。 気分が悪いから、先に教室へ戻らせてもらうよ」 そういって席を立ったのは、気障な感じの美少年ギーシュである。 ルイズについていった教室で何度か見た覚えがある。どこぞの貧乳と違って、魔術の方もなかなかの腕前らしい。 「ねえねえおとうとくん。さっきここへ来る途中、人があんまり来なさそうな倉庫を見つけたのよ。 後で行ってみない?」 姉さんは全く無視している。少々顔の造形がよいくらいでは姉さんの注意を引くことはできないのだ。 「ちょっとあんたたち!貴族に話しかけられたらちゃんと返事しなさいよ!」 ルイズが叱責するが、 「あの場所、多分体育倉庫みたいなところだと思うのよ。 体育倉庫といえばやっぱり制服姦よね!この学校なかなか分かってるわ!」 決して俺たちがセックスするために体育倉庫がある訳じゃあないと思うが、それはまあいい。 「姉さん。この世界で生きて行くには奴らの庇護が必要だとか言ってたじゃあないか。無視してていいの?」 「最初はああいったけど、やっぱりお姉ちゃんにとっての最優先事項はおとうとくんなの」 だそうです。 ギーシュはスルーされ続けてかなり腹を立てたようだが、キレるにはいたらず、ちょっと顔をゆがめてそのまま立ち去ろうとした。 そのとき俺は、奴の椅子のうえに小さなビンを見つけた。 「ちょっと、これ落としましたけど…」 「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」 「でも確かに…」 そのビンに気づいた他の貴族達が騒ぎ始めた。 「おい、その香水はモンモランシーのじゃないか?」 貴族達が騒ぎ始めた。 ギーシュが抑えようとするが、全く効果がない。 そこへ最近ギーシュが口説いていたらしい後輩が通りかかり、 事態は更にややこしくなる。 更には名指しされたモンモランシーとかいう少女もやって来る。 結局この騒ぎは、二股をかけていたギーシュが香水を頭にぶちまけられることで収束した。 収まらないのは二股をかけていたギーシュだ。 「君のせいで、僕と彼女の名誉が傷ついた!どうしてくれるんだね!?」 「しらんがな」 「そうよおとうとくん。こんな二股かけてた下司野郎に謝ることなんて無いわ。 こういうのに限って童貞なのよ! 大体、貴族貴族って、所詮は自分で手に入れたものじゃなくて親にもらったものじゃない! そんなにお父様にもらったものが誇らしいの?まるでガキね!」 さっきさんざんスルーされて、さらにここへ来ての暴言。プライドの高い貴族をキレさせるには十分だったようだ。 「も、もう許さんぞ!決闘だ! 今日の五時、広場へ来い!」 「いいわよん♪」 勝手に了承しないで欲しいな。 数分後。 俺と姉さんは食堂で作戦会議をしていた。 「そもそも、なんであんな誘いにホイホイのったの?」 「ここであの貴族をぶっ飛ばして私達姉弟の愛の力を示せば、平民平民ってバカにされることもないかなって 私はともかく、おとうとくんが貶められるのをいつまでも放っておけるほど、私はチキンじゃないわよ」 「姉さん・・・・・」 普段は馬鹿なことばっかりするくせに。卑怯だぜ、姉さん。 「とにかく奴の情報が欲しいわ。 あ、そこのメイドさん、ちょっといい?」 「はい、なんでしょう?」 呼ばれてきたのはメイド服に身を包んだ、少しおとなしそうな感じの女の子。俺と同年代だろうか。 「ギーシュって男についてkwsk」 「ギーシュさんですか。 あの人は使い魔さん達のご主人、ルイズさんと同じ学年の方です。 『青銅』という二つ名を持ってられます。その名の通り、青銅で出来た兵士『ワルキューレ』を操る魔術に長けておられます。」 「ありがとう。ええっと、名前を聞いていなかったわね」 「シエスタと申します」 「シエスタさんね。 もう一つお願いがあるんだけど」 「なんでしょう?」 「そのメイド服、後で貸してくれない?」 姉さんの頭をはたく。 「貸さなくても良いですよシエスタさん。いつものことですから」 「は、はあ・・・・」 とにかく作戦を立てなければ。 「私達の使える道具を整理してみましょうか」 「そうだね」 俺が持っていたものは、修理に出していたノートパソコン、録音用マイク、予備の充電池。 姉さんが持っていたものは、『姉の淫腔』『姉の媚乳』『姉汁』『姉、ちゃんとしようよ!』『あねらぶ』 姉さんの頭をはたく。 「いたぁい!」 「何でエロ本ばっかりなんだよ」 「しかたないじゃない!」 「しかたなくないだろ・・・常識的に考えて・・・」 まともに使えそうなのはノートパソコンくらいか。 「なにかできるかなこれで」 「グーグル先生に聞いてみようよ!」 「うん、それ無理♪」 「ですよねー」 コントをしている場合ではない。 ノートパソコンに何か入っていないか、調べてみることにした。 しばらく動画類を漁っていると、 「ねえ、これつかえるんじゃない?」 「おお、そういえばこんなもん保存したな。 まだ残ってるとは思わなかった」 良さそうな物があったじゃあないか。 五時。広場。 約束の時間丁度に広場へ行くと、ギーシュが既に来ていた。 野次馬もかなりいる。制服を着た貴族が大半で、ギーシュはもう勝った気でいるらしい。 「いけギーシュ!」 「生意気な平民に、力の差ってもんを教えてやれ!」 「気にしなくていいわよおとうとくん」 「大丈夫だよ、姉さん」 姉さんが勝てない勝負なんてしないことを、誰より知っているのはこの俺だからな。 大仰な動作とともにギーシュが芝居がかった台詞を口にする。 「やあやあ平民君。逃げるかと思っていたが、ちゃんときたじゃないか。そこはまあほめてやってもいいよ?」 妙な気分だ。 こいつと戦うのは始めてのはずなのに、どうしてか俺はこいつが負ける姿を見たことがあるような気がする。 それも一度や二度ではない。 シスの暗黒卿、傭兵、VIPPER、出会い厨などがよってたかってこの気障野郎をフルボッコにしているのを、俺は見たことがある。 デジャヴってやつか? 「もう聞いているかもしれないが、僕は皆に『青銅』のギーシュと呼ばれていてね。 決闘は僕の忠実な戦士、『ワルキューレ』にしてもらうよ」 姉さんが答える。 「『青銅』がなんだっていうのよ! 私は『激愛』の姉! こっちは『淫乱』の弟よ!」 ちょっとまて。 「『淫乱』て。どう考えても姉さんの二つ名だろ」 「じゃあ『抜かず三発』の弟と、『ミミズ千匹』の姉っていうのはどうかな」 「風俗店じゃないんだから」 「コントをやめろ!」 ギーシュが割り込んできた。 「さっさと始めるよ!」 ギーシュの持っていた薔薇の花が地面に舞い落ちる。と同時に、ギーシュの前に青銅の人形が出現した。 戦乙女の姿をしたギーシュの兵士、『ワルキューレ』である。 「おとうとくん!あれ見てあれ!さまようよろいよ!」 しかし姉さんは全く物怖じしない。 「優先して倒さないと、ホイミスライム呼ばれるわよ!ホイミスライム!」 「聞け!」 ギーシュはかなり焦れている。 「来ないなら、こっちから行くよ!」 「その前にちょっと、見て欲しいものがあるんだけど」 俺がノートパソコンを開く。 「この映像に、ちょっと集中してみてくれないか?」 「なんだと?」 少し不審がりつつも、見る気はあるらしい。 「これだ」 再生したのは、強い光とめまぐるしく変わる原色を含んだ一本の動画。 しばらくその動画を見ていたギーシュだったが、 「ん・・・んな・・・」 気を失って仰向けにぶっ倒れた。 ギャラリーがとたんに騒ぎ出す。 「ギーシュが負けた!」 「一体どうしたんだあいつら!」 「平民が、貴族に勝つなんて!」 「うまくいったね♪」 「ああ」 ギーシュに見せたのは、十年以上前にテレビ放送され全国の小学生を昏倒させた伝説の動画。 いわゆる『ポリゴンフラッシュ』だった。 その後のこと。 結局、決闘は互いの合意の上だったということで特に処罰もなく、俺たちは家に戻った。 ルイズは「平民が貴族を傷つけるなんて!」とかなんとか言っていたが、まあいつものことなので適当に聞き流しておいた。 この世界にも早く民主主義というものが生まれれば良いなとだけ思った。 姉さんはルイズの部屋でなにやら話し込んでいたが、特に問題も無かろう。 特に何か運動したわけでもないが、緊張のし通しだったので疲れた。 布団に潜って、早めに眠ることにした。 そして夜。 屋根裏部屋で寝ていた俺は、妙な音に気づいて目を覚ました。 視線を出入り口の方へ向けると、小さな炎のようなものが見える。 「・・・使い魔か」 あれはたしかサラマンダーとかいう生き物だ。なんとかいう貴族がルイズにさんざん自慢していたのを覚えている。 サラマンダーの方もこちらに気づいたようで、よってくる。 「おい、なんだよ」 足下に少しとどまった後、出入り口の方を頭を向ける。 「・・・ついてこいってか?」 そのサラマンダーのマスターたる貴族の部屋。 やけに露出度の高い服を着た女が、男を待ちわびていた。 彼女の名はキュルケ。恋多き女である。 どのくらい恋多き女かというと、瀬戸内寂聴よりも恋多き女である。 彼女も、今日の決闘の観戦者だったのだ。 貴族を一方的に昏倒させた、あの平民に、彼女は非常な興味を引かれていた。 恋多き女であるが為に、行動は早い。早速使い魔に命じて、彼を連れてこさせようとしたのである。 「うふふ。平民だけど、あれでなかなか精悍な顔立ちをしていらしたわ・・・ 本気で恋しちゃったらどうしましょ・・・」 そのとき、ドアをたたく音がした。 待ち望んだ音である。 「今開けるわ・・・」 自分のヴォイスヴァリエーションのなかでもとびきり色っぽい声を出して、扉を開き彼を迎え入れる。 だがそこに立っていたのは、 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」 「ヤッダーバアアァァァァァァァァァ」 「無駄アッ!」 『燃えるゴミは月・水・金』 地上最強のガーディアン、姉であった。 翌日。 貴族達が俺たちを見る目が少し変わったような気もするが、とりあえずはいつも通り。 ルイズについて授業に出ていたのだが、 「おとうとくん。お姉ちゃんは今から、18禁な物を一切用いずに弟君を勃起させてみせるわ」 こちらもいつも通りです。 「おとうとくんが勃起したらお姉ちゃんの勝ち。授業が終わるまで耐えられたらおとうとくんの勝ちよ」 「直接触れたりしないの?」 「しないしない。 罰ゲームは、負けた方は勝った方の言うことを一生聞くっていうので」 「ちょっとまて。いくら何でもその罰ゲームはヘヴィ過ぎないか。 普通こういうのは、一日限定じゃないか?」 「いいじゃない!私はアブノーマルなのよ!始めるわよ!」 「まあ、アブノーマルってとこには同意だな」 姉さんが小さいスポイトのような物を取り出した。妙にとろみのある白濁液が入っている。 「これを使うわ。この液体は、単に片栗粉を溶かしただけだから、18禁ではないでしょ」 大体予想がついてきた。 「どうせそれを顔に塗ったり飲んだりするんだろ」 「さあそれはどうかな」 と、姉さんが次に取りだしたのは眼鏡。 普段はコンタクトレンズをしている姉さんが、どうしてこんなものを持ってきているんだ。 姉さんは白濁液を半分くらい眼鏡の凹んでいる方に垂らし、ゆっくりとレンズを舐め始めた。 しかもちらちらと上目遣いでこっちを見てくる。 「んっ・・・・ちょっと苦いね」 これは。 これはまずい。 「んっ・・・んくっ」 必要以上に喉の動きを強調して液体を飲み込む姉さん。 これは扇情的に過ぎる。 いつの間に俺の性癖がばれたのか。 もはや隠しようもない。 「うふふふふお姉ちゃんの勝ちだね」 「姉さんこれは卑怯だよ」 「これからはずっと眼鏡でいてあげるね♪」 「あんたたち!」 怒鳴ったのは最近とみに影の薄いルイズ。 「じゅ、授業中になんてことしてるのよ!出て行きなさい!」 「あ、出ていって良いの? じゃあちょっとショッピングに行きたいから、お金を貸して下さい」 「はあ!?何で私が」 「ええっ!貸してくれないのですか!?」 大げさに驚く姉さん。 「そんな!まさか私達のご主人様がお金を貸してくれないなんて! ショ・・・ショックだわ!あまりにもショックすぎてご主人様の 「か、貸すわよ!貸せばいいんでしょ!」 財布を投げてよこすルイズ。反射的につかみ取ったが、かなり中身が入っているらしく、分厚く膨れている。このブルジョアめ。 「有り難うございまあす♪おとうとくん、行きましょ」 「あ、ああ」 で、教室を出たわけだが。 「姉さん。さっきのやりとりはなに?なんか弱みでも握ったの?」 「いや別にぃ。ただルイズの前で、パソコンの録音再生機能を実演してみただけよ」 「ほほー」 「ちょっとしたカマ掛けのつもりだったんだけど、予想外に効いたのねこれが」 「なんか秘密でもあるんかねー?」 「オナ声録られたとでも思ったんじゃない?」 「そんなとこか。 で、ショッピングって、どこ行くの」 「きょうはちょっと、私達の装備を調えようと思って。 まずは杖屋よ」 「杖屋?俺たち平民だぜ?」 「まあいいからいいから」 と、いうわけで町へ繰り出した俺たち。 目に付いた杖屋に入る。 入店するなり、店主らしき老人が話しかけてきた。 「・・・ん? あんた達、平民じゃろ? ここは杖屋じゃよ」 「ええ。知ってるわ。杖を売って下さる?」 「そりゃあ頼まれれば売るが、平民が杖?」 「いいのいいの。」 「杖との契約はせんのか?」 「いいのいいの。あ、これなんかが手頃かな。 これ二本下さい」 かなり怪しまれたが、無事買えた。 しかし杖なんか買ってどうするつもりなんだろう。まあどうせルイズの金だが。 次に向かうは武器屋。 「どっちかというとこっちが本命ね」 「さっきの杖は?」 「あれはまあ、保険というかおまけというか。使わないに越したことはないものよ」 なんだかよくわからないが、まあいい。いずれ説明してくれるだろう。 少し治安の悪そうな裏通りに、目的の武器屋はあった。 入ってみると、カウンターには誰もいない。外出中だろうか? 「とりあえず商品見とこうよ」 「そうだね」 刀剣類がいろいろと壁に掛かっている。パッと見て多いのは西洋剣の類だが、案外種類は豊富だ。店の奥の方には弓矢や銃もあるらしい。 「しっかし・・・これはどうよ・・・」 刀剣類にさほど詳しくない俺だが、なんというか、どれもこれも見た目重視で扱いにくそうな剣ばかりだ。 「やっぱり魔法があるから、こういう文化は進歩しないのかしら」 「みたいだねえ。これなんかみてよ。刃こぼれしてるよ」 「エリミネイター00とかグリフォン・ハードカスタムみたいなイカしたブツはないかしらねー」 「どこの闇突ですか」 早々に剣に見切りを付けた俺は奥の商品を見てみたが、こちらもなんだか見た目重視というか威嚇用みたいな物ばかり。 これは駄目かと思っていたが、姉さんは何か見つけたらしい。 「おとうとくん!ちょっとこっち来て!」 「なに?」 姉さんが片刃の長剣を持って立っていた。 「なにそれ?日本刀っぽいね」 「うふふ」 姉さんはその刀を床に突き立て、右足の親指と人差し指で峰の部分をつかみ、柄を両手で握って体を左にねじ曲げ それは一切の流派に 見たことも聞いたこともない奇怪な構えであった こんなことをされては、俺に出来ることは一つ。 左腕を袖から抜き、左袖を縛り、姉さんが持っているのと同じタイプの刀を右手だけでつかみ、肩に背負って 「怪物め!」 隻腕の剣士の刃は 骨を断つことが出来るのか? 盲目の剣士の刃は 対手(あいて)に触れることが出来るのか? 出来る 出来るのだ 結局、小さめの銃だけ買うことにした。 大通りに出るなり、姉さんが宿屋を見つけて叫んだ。 「おとうとくん!ちょっとあの宿屋に入ってみましょうよ!」 「まあべつにいいけど・・・なんで?」 「いいからいいから」 中にはいると、正面のカウンターに初老の女が座っていた。店主だろうか。 姉さんが話しかける。 「すいませえん、表に『一泊1000イェン』って書いてあったんですけれど、『ご休憩』はいくらですか?」 ちょっとまて。 「『ご休憩』? ・・・申し訳ございません、そのようなサービスは承っておりませんが」 「おとうとくん!ここラブホじゃないみたいよ!」 「見た目で気づかないか普通」 「休憩所なら、地下にバーが御座いますが」 「ではそちらにいかせていただきます」 バーの丸テーブルに着き、小休止。 「姉さん、どうもこの世界にラブホは無いようだよ」 「使えない奴らめ!」 「落ち着いて姉さん。キャラが変わってるよ」 ラブホがそんなに重要か。別に今までもやりたいことは出来てるじゃないか。 と、その時。近くのテーブルに座っていた男二人組の会話が聞こえてきた。 「あの『土くれのフーケ』が、今度はついにトリステイン魔法学院を狙うらしいぜ!」 「また予告状を出したらしいな! ああいう場所だし、きっと珍しい品も色々あるんだな」 トリステインとな。これは聞き捨てならんな。 と思った瞬間、姉さんが話しかけていた。 「すいません、今トリステインって言いましたか?」 「え? ああ、言ったが、それがどうした?」 「トリステイン魔法学院に、誰か進入するんですか?」 「ああ、『土くれのフーケ』だよ。魔法具専門の盗人で、必ず事前に予告状を出す、あれ」 「今回も?」 「ああ。新聞なんかじゃ報道されてないが、確からしいぜ」 「そうですか・・・ありがとうございます」 姉さんは俺に向き直ると 「おとうとくん、どういうことだろうね。隠してるのかなやっぱり」 「あそこに通っているのはかなり位の高い貴族の子弟らしいからな・・・ 苦情を受けたくないんだろうが、よほどセキュリティに自信あるんだな」 「ふうん・・・ 私達がその『フーケ』を倒したら、また私達の名が上がるわよね」 「しかしギーシュみたいにはいかんだろ。ポリゴンフラッシュはある程度集中してみてもらわないと効果無いし」 「まあ、出来るならってかんじかな。ルイズあたりを盾にして、その隙をついても良いかも」 「それが安全かな」 それで俺たちのショッピングは終了し、 学校に帰ると大騒ぎになっていた。 「あ、あんたたちーっ!!どこ行ってたのよ!!こんなときに!」 ショッピングですが。 「学校に賊が忍び込んで、魔法具を奪って逃げたのよ!」 「賊!?」 「そうよ!『土くれのフーケ』よ!!」 行動早っ!! ルイズの言う所によると、昼頃、学院内に突如巨大なゴーレムが現れ、宝物庫を破壊しだしたらしい。 貴族達が恐慌を起こしている隙をついて、フーケはまんまと目的の物を奪って逃げたと。 「つまりあんたたちがヘタレってことじゃない」 姉さんは貴族に対しては必要以上に辛辣だ。 「!!!!1111!」 その後、やはり下手人は『土くれ』のフーケであると断定された。 ルイズが一番近くでフーケを見ていたため、教師達と共に対策会議に出席していた。 使い魔たる俺たちもそれに同伴する。 「これはなかなか幸運だったわね」 「ああ。まさに情報の最前線だからな」 しかし対策会議と言っても、校長以外はあまり積極的な意見を出す者がおらず、 犯罪者を取り締まる騎士団とやらに任せるべきと言う意見が支配的だった。 と、そのとき。 ガチャ 「申し訳ありません。遅れてしまいましたわ」 「おお、ミズ・ロングビル。こんな時に、一体どこへ行ってたんじゃ?」 ロングビル・・・確か校長の秘書だ。ずっと姉さんといたせいで、女性の顔は殆ど覚えられていないが。 「朝から調査を進めていました。」 ロングビルは書類を取り出すと、 「ついさっき、フーケの居場所がわかりました」 「なんですと!!」 一人の教諭が驚く。 「それは本当かねロングビル! だ、誰に聴いたんじゃね?」 校長も身を乗り出す。 「周辺の農民に聞き込みをしたところ、 この辺りには平民の家しかないないのですが、 不審な黒いローブを被った者が、森へ入っていくのが目撃されていました」 「黒いローブなら… ゴーレムの肩に乗っていた人間もそうだったわね・・・」 ルイズがつぶやくと、教師達が一斉にこっちを振り向く。 「そこは近いのかね?ミズ・ロングビル」 校長がロングビルに訪ねる。 「徒歩で半日。馬ならば4時間くらいでしょうか」 「騎士団に連絡して、討伐してもらいましょう!」 さっき驚いていた教諭が意見を述べる。 「降りかかる火の粉を振り払えずに何が貴族かっ!! 我々の力で、フーケを捕らえるのじゃ!! 学院の宝が盗まれた!これは学院の問題じゃ!! ならば我々の力で!我々の誇りで! 学院で解決するのじゃ!」 校長が叫ぶ。やはりこいつもプライドの塊か。 「捜索隊を結成する。我こそはと思うものは杖を掲げよ!」 とたんに辺りが沈黙する。誰も戦いたくはないと言うことらしい。 やはりフーケ、有名なだけあって強力な魔術師らしい。あるいはフーケが使うらしいゴーレムが問題か。 「どうした?フーケを倒し名を上げようとおもう貴族はおらんのか?」 一瞬の後。 1本の杖があがり、辺りがざわめき始める。 杖をあげたのはルイズ。爆破魔法の使い手だ。 「おぉ、ヴァリエール君。君が行くというのかね」 「君達は生徒じゃないか!!」 教師が声を張り上げる。 「最近どこぞのカップルのせいで、私の影が薄いのよ! ここらでバシっと、私の存在感をアピールしたいのよ!」 なんてやつだ。 しかし結局他の候補は現れず、ルイズ、俺、姉さん、隠れ家の場所を知っているロングビルでフーケ討伐へ向かうことになった。 数分後。屋根裏部屋で。 俺と姉さんは作戦を練っていた。 「まあ、やばくなったら逃げると言うことで」 「とりあえず貴族が二人いるわけだから、最初は彼女たちに任せましょう」 「このメンバーなら、ロングビルを最初に狙ってくるだろうから。 ロングビルはいないものとして、どう対処するか・・・」 「私達は銃の素人だから、かなり接近しないと多分当たらないわよ」 「杖も使えないしなー。ポリゴンフラッシュもゴーレムには効かないだろうし」 「「・・・でも、倒したいねえ・・・」」 「殺っちゃう?」 「やっちゃっちゃう?」 「そんときゃーキャッチアンドリリースよ」 「ア セイ!」「フー!」 「ア セイ!」「フー!」 「「谷間にダーリンダーリンプリーズ!」」 ノリが良すぎるのも困りものですね。 数十分後。 俺たち5人は正門前に集まっていた。 5人。 俺、姉さん、ロングビル、ルイズ、 ギーシュ。 「どうしてあんたがここにいるんだ?」 例によって芝居がかった口調でギーシュが答える。 「フーケ討伐に君たちが参加するときいてね! いつぞやの借りを返してもらおう!」 「どういうことだ?」 「もう一度勝負しようじゃあないか! 先にフーケを倒し、無力化した方の勝ち、どうだい?」 これは予想GUY。 「どうするよ?姉さん」 「まあいいんじゃない?戦力が増えるのは悪いことじゃないわよ。負けても私達に損はないし。」 「じゃあそういうことで」 全員で馬車に乗り込み、目指すはフーケのアジト。 馬車内でもギーシュはなにやら色々言っていたが、俺は周りの景色を観察するのに精一杯でそれどころではない。 いうまでもなく逃走経路の確保だ。もともと勝ち目の薄い戦いだし、無理して倒す必要もない。 そもそもフーケの使うらしいゴーレムの情報が禄にない。ないないづくし奈良づくしだ。 まあ、姉さんさえいてくれるなら、なんでもいい。 そうこうしているうちに、森に着いた。 前方の小屋がフーケの隠れ家らしい。かなり老朽化が進んでいるらしいが、中に入ってみると人が生活していた痕跡のようなものはある。 と、俺の足に何か当たった。 「・・・?」 暗くてよく見えないが、太く長い金属の筒で、持ってみるとかなり重い。 「・・・これが・・・『破壊の杖』?」 おれの知識では、これは杖なんかじゃない。 これは・・・ 「なんでもできちゃうバット、RPG7?」 「姉さん。確かにあのMADは名作だけど、ここで使うのはおかしいよ」 MGSをプレイした俺には分かる。これはRPG7、いわゆるロケットランチャーだ。 「あんたたち、『破壊の杖』を知ってるの?」 ルイズが怪訝な顔で聞いてくる。 「ああ、実物を見たのはこれが初めてなんだがな。 ひとまず外に出よう」 外で見ると、かなり使い込まれたものらしいことが分かった。 兵器の知識はほとんどない俺だが、傷の付き具合などから、少なくとも新品でないことは見て取れた。 「フーケはいない、破壊の杖は放置・・・・ ロングビルさん、どうしま・・・ あれ?」 さっきまで俺たちと居たはずのロングビルが居ない。 「ロングビルさんは見張りをしていたはずだよな・・・? 姉さん、知らない?」 「分からないわ・・・ どういうこと・・・」 次の瞬間。 轟音と共に、俺たちの前に巨大なゴーレムが出現した。 「フーケ!?」 とっさに反応したのは姉さん。持っていた銃を構え、二三発発砲する。 しかし全く効いていない。ゴーレムはギーシュの方へ向き直り、拳を振り上げた。 その隙をついて、俺と姉さんは森へ駆け込む。 「ちょ、ちょっとあんたたち!待ちなさいよ!」 ルイズも着いてきた。 「主人を置いて逃げる使い魔なんて、聞いたこと無いわよ!」 「逃げたわけではありませんよ」 戦略的撤退という奴だ。 俺は姉さんを背にして、森の中から叫ぶ。 「おい!フーケ!お前のねらいはわからんが、交渉しようじゃあないか!」 ゴーレムがこっちを向く。ギーシュは放心状態だ。 おれは杖を取り出し、ルイズの首に腕をまわすと、さらに叫ぶ。 「フーケ・・・ いや、ロングビル! 隠れてないで出てきたらどうだ!? お互い顔を合わせて話をしようじゃないか!」 「ロングビル!?」 ルイズが驚きに目を見開く。 「そんな馬鹿な・・・」 おれはかまわず続ける。 「ロングビル!出てこないと言うなら、『破壊の杖』を爆破し、ルイズを殺す!」 「はあっ!?ころs」 ルイズの口を塞ぐ。 「どうだ!?あと10秒待ってやる! 1! 2! 3! ああもうだめだ! まずルイズを殺す!」 「ま、待ちなさい!」 ゴーレムの陰からロングビルが出てきた。 「何を考えてるのあなたは!?」 「あ、やっぱりロングビルだったんだ。 ちょっとしたハッタリだったんだけど」 ロングビルの顔が歪む。 「まず、お前の目的は何だ!」 「『破壊の杖』よ・・・ 盗んだはいいけど、使い方が分からなかったのよ あんたたちが他の世界から来たって言うのは聞いてたから、追いつめればあれをつかうんじゃないかって」 「そうだったのか。残念だな。あれの使い方は俺たちにもわからん。素人なんでな。」 言いつつ俺は杖を取り出し、ルイズの頭に当てる。 「では、杖を捨てて投降してもらおうか?」 「はあ!?あなた何言ってるの!?」 「魔法?平民が何を」 「お前も聞いているだろう?俺たちがギーシュを倒したことを 魔法も使えない人間が、どうやって貴族の意識を奪うことが出来ると思うんだ? お前を倒すことは出来ないだろうが、このルイズを殺すことは出来る!」 ハッタリだ。だがこれで良い。ロングビルと会話し続けることこそが重要なのだ。 「お前は知らないだろうが、ルイズの家では時々残虐な処刑ショーが行われる! 本当にひどいものだぜあれは。生きている人間を樽に入れて、外側から太い釘を何本も刺すんだ。 100本位刺して、樽を坂の上から転がす。 全身を釘に刺されて、それでもなかなか死ねないもんだから、樽の中から獣みたいな叫び声が延々と聞こえるんだ。 ルイズの親戚どもはそれを眺めて、談笑しながら酒を飲むって訳だ。 お前が杖を捨てなければ、俺はルイズを殺す! 状況からいって、お前が犯人だと思われるのは避けられんだろうな。 お前はこの後逃げるつもりだろうが、あのプライドの塊みたいな貴族達から逃げ切れると、本気で思っているのか? 間違いなくお前は捕らえられる。そしてあの恐ろしい・・・この世のものとは思えん責め苦を、受けるのだぞ!」 ルイズが暴れ出す。いいぞもっとやれ。必死になってくれればそれだけ、俺の話の迫真性が増す。 「この前も一人やられてな。 一晩中悲鳴を上げ続けていたよ。 俺も正直、あんなものはもう聞きたくないんだ。杖を捨てて投降してくれれば、きちんとした裁きを受けられるよう、俺が取りはからってやっても良いぜ?」 ロングビルは少し怯んだようだったが、すぐに杖を掲げると、 「ふん! どこまで本当のこと言ってんだか知らないけど、とりあえずあんただけ潰せば問題ないでしょ!」 その瞬間銃声が鳴り響き、 俺は勝利を確信した。 銃を撃ったのは姉さん。 ロングビルの右手を打ち抜き、さらに杖を根本の部分から折ったのだ。 「遅いよ姉さん。話題が無くなるかと思ったぜ?」 「ごめんごめん。あんまり遠くから当てる自信なかったのよ。」 「い、いつのまに!?」 「あんたがおとうとくんとの会話に夢中になってる間に、よ さて、トリステインの授業が正しければ、杖のない魔法使いは無力、らしいけど?」 くるりと振り返って森へ逃げ込もうとするロングビル。 しかしもう一発銃声がして、ロングビルは前のめりに倒れる。 「そろそろコツが分かってきたわ」 右膝を打ち抜かれたロングビルが呻く。 「くそ・・・ こんな素人に・・・」 「私は素人じゃないわ 専門家(スペシャリスト)よ」 「嘘つけ」 「嘘じゃないわよ!毎月サンデーGXを読んでるもの!」 言いつつ左膝も撃ち抜く姉さん。 「ま、そういうことだ、ロングビル。 お前は余裕をこきすぎた。 殺しはしねーから、おとなしくお縄につけ」 それからのこと。 フーケは無事捕縛され、投獄された。 ルイズとギーシュには、フーケ逮捕に尽力したと言うことで勲章が授与されるらしい。 実際には奴らは何もしていないが、平民の、それも使い魔に勲章は与えられないらしい。 まあ、べつに構わん。 「平民が貴族を倒した」という事実さえあればいいのだ。 人の口に戸は立てられない。いずれは国中に広がることだろう。 ルイズは、彼女を脅しに使ったことでかなり怒っていたが、勲章をもらって機嫌を直したらしい。分かりやすい奴だ。 ギーシュは今回のことを、全て自分の手柄のように女達に語っているらしい。後で辛辣なつっこみを入れてやろう。 そして、今日は舞踏会。 本来なら貴族らしい正装に身を包んだ生徒達が、思い思いの相手とダンスをしているはずだが、今回はちょっと違った。 姉さんの手を取り、首に腕をまわして優雅に踊る。 姉さんの方もそれに合わせてくれているので、踊り自体に問題はない。 それなのに何故、他の貴族達は踊らずに俺たちを遠巻きに眺めているのか。 追い出そうともせずに、妙な表情を浮かべているのか。 俺と姉さんが貪り合うような口付けをしているからだろうか。 たっぷり5分は舌を絡め合った後、唇を離し、軽く息を吐く。 「ねえおとうとくん」 「なんだい姉さん」 「これからも、魔法使い狩り、やろうね」 「おう」 「それで、名前が売れてきたら、事務所を開きましょう」 「いいね。経済的に自立できれば、誰も俺らに干渉できない、と」 「うふふ。事務所の名前、どんなのにしようかしら。『殺戮奇術の下根姉弟雑伎団』なんてどうかな?」 「ちょっとわかりにくくないか?」 なんだ、この世界もなかなか悪く無いじゃないか。 と、ダンスホールの扉が開いて、ルイズが入ってきた。 さすがに貴族らしく、かなり豪華なドレスを着ている。 だがそんなものに構っている暇はない。俺と姉さんは人生設計に忙しいのだ。 「ちょっとあんたたち、なにご主人様を放って・・・」 皆まで聞かずに再び姉さんの唇を吸う。 ルイズはまたなにか言うだろうが、どうでもいい。 姉さんさえいてくれれば、それでいい。 「姉さん」 「なあに?」 「経済的な目処が立ったら、結婚式でも挙げようか?」 「いいわねそれ!やっぱり一度くらいはウェディングドレス、着てみたいもん!」 まだまだ問題は山積みだが、 二人なら、きっと何とかなる。 -「ゼロの姉弟」 終-
https://w.atwiki.jp/hakuma/pages/14.html
【R18】DNAハンターやる夫 【R-18】やる太のDQ3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第01話 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1359130242/671- 第02話 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1359130242/844- 第03話 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1365162427/311- 第04話 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1366212971/681- 第05話 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1388226363/256- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【R18】タイトル未定 三世代もの ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前編 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1371313352/683- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【R18】やる夫はぜかましのダメコンのようです・・・? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1376053323/259-336 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【R18】フーゾクではたらくマ王さま! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1378549250/707-749 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1379314381/29-148,166-220 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【R18】王様(邪神?)ゲーム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1376053323/353- http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1378549250/16- http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1388226363/286- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ジャギちゃんのセインツロウ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1392732354/427- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【やる夫が山で遭難したようです】シロクロ短編? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1393588896/130- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【極濃のブリュンヒルデ】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1397810380/105- http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12368/1397810380/330- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1125.html
512 そこまでキモくない姉 ◆XVFC49ny2Q sage 2010/07/18(日) 14 39 02 ID df90D46M 僕は街を歩いていてよく振り向かれる。僕の歩いたあとにはジェラシーが一斉に芽吹く。 種をまいているのは僕の姉さんで、姉さんは僕の腕に両腕で堅くしがみつき、僕の肩の上に頭を乗せてうっとり幸せそうな顔で並び歩いて一帯にどす黒いフラワーガーデンを作り上げる。 冴えない男と見惚れるような美人の組み合わせ、そこに犯罪性と冴えない男への憎悪が生まれてしまうのは霊長類の雄として仕方がないことなのだろう。 僕だって、可憐な女性を脇に侍らせ他の雄の嫉妬を買う事に優越感を感じるような俗な男の一人だ。けれど脇の可憐な女性が姉なら話は別だ。 僕本人はただ恥ずかしく、周りの男は羨望の炎を燃やし、周りの女は公衆の面前でのいちゃつきに嫌悪を催し、これじゃ姉さん以外は誰も幸せにならないではないか。 でもそれが想像できるようなら街中で弟の腕にしがみついたりはしないのだ。 思えば僕のこれまで十七年間の人生は姉尽くしだった。 子供のころからずっとそうだったものだからよく調教された犬のように疑問を感じることなく主人の傍から離れなかった。 けれどこんな牙の抜けた犬でも姉に立ち向かった事がなかったわけではない。それは言葉通り反抗期と呼ばれる時期だった。 ・目覚め 513 そこまでキモくない姉 ◆XVFC49ny2Q sage 2010/07/18(日) 14 40 36 ID df90D46M 「俊也(としや)、育児ごっこしようよ!」姉がノックもなし小学六年生にもなった一人前の男の部屋のドアを開いた。 黒のツインテール、端正な顔を斜めに傾けて甘えるような目つき。弟でもドキっとしてしまうようなセクシーな表情だった。 もしそれまでの幼生の僕ならばこれで、情けない顔をしながら姉の元までとぼとぼ歩いて行っていただろう。でも小学六年生の僕はそんな負け犬ではなかった。 「嫌だね。あいにく僕はもうそんなことしようとは思わないんだ!」きっぱり物事を発言する気持ちよさを胸一杯に味わった、僕はハードボイルドに目覚めていた。 「えーなんで。しようよしようよ!」姉はそんなことは意に介さず、ずかずか部屋の中に踏み込んできて僕の腕を掴んでぶんぶん振った。姉は昔から病的に空気の読めない女だった。 パシィンと勢いよく腕を振り払う。 「いやだって言ってるだろ! つーか何が育児ごっこだよ。あんなの僕が乳首吸わされてるだけじゃないか。中学一年にもなって弟におっぱい吸わせて恥ずかしくないの」 その瞬間、じわぁと姉のパッチリ二重のお目目に涙の玉が浮かんで溢れた。 「またやっちゃった……。ごめんね。お姉ちゃんばかだから。自分の部屋で反省してるね」姉は細い腕で涙を拭いながら踵を返し部屋を出ようとした。 「ま、まって姉ちゃん!」僕は姉の腕を掴んで引きとめた。責め返されないことで一方的に攻撃をしてしまった罪悪感が込み上げたのだ。僕は情にほだされてないぞ、というのを口調でアピールしつつ言った。「まぁちょっとだけならいいけどね……」 「でも……いいの? 気持ち悪くない?」姉は振り向かないまま憐憫を促すような声で答えた。 「いい、いいよ! 普通の姉弟なら多分このくらい普通にやってるし!」 「うん、そうだよね!」そう言って姉は僕のベッドに腰掛け自らのTシャツを捲り上げ、スポーツブラを外して薄桜色の未発達の突起を露出させた。それから優しく言った。「ほら、おいで」 僕はやれやれという感じに上を向いてから、床に膝を付き、細いくびれに腕を回してしがみついて、姉の方が僕よりやや背が高いからちょうどいい位置にきている――その膨らみかけの小さなおっぱいをゆっくりと口に含んだ。ちゅうちゅうと赤ん坊がするみたいに乳首を吸った。 姉は少し息を荒くしながらも、愛おしそうに僕の頭を撫でた。「俊夫はいい子ね」 僕は子供扱いされたことにむっとして、舌でその蕾を円をかくように刺激した。 「あっ」姉の小さな口から甘ったるい声が漏れた。うつむいて顔を真っ赤にしている。長年の経験から僕は知っていた。こうやって姉をまいらせる方法を。だんだんと口に含んでいるそれが固くなってきているのを感じた。 「はい、おわり」僕は突然姉から唇を離した。 「え!」姉が物惜しげに言う「な、なんでよぉ」 僕は黙って勉強机の前に座った。僕だって馬鹿じゃない。姉の甘ったるい声を聞くと何かいけないことをしているのではないかという気分になるのだった。 「これから明日の宿題するの。まだやってなかった。明日が月曜だって忘れてたから」実はもうやっていたけれどそう言っておいた。 「えーじゃあ、お姉ちゃんが教えてあげるよ」 「いいって」 「どうして」 「しつこいと嫌いになるよ」 「うー」姉はその言葉にドキッとしたみたいでしぶしぶ何度も僕をチラ見しながら部屋を出ていった。「でも分んなかったら呼んでね」と捨て台詞を残して。 514 そこまでキモくない姉 ◆XVFC49ny2Q sage 2010/07/18(日) 14 42 44 ID df90D46M 一人残された僕は椅子の背もたれにもたれ掛かって天井を向いた。天井材の白い化粧板を眺めながら僕はどうしてこうなったのかを鑑みていた。 姉の葦羽(あしは)は確かに昔から変わったところがあった。といって知能が劣っているとかではなく学校の成績だけでいうなら優秀だった。 けれどちょっと他の女の子とは価値観がずれているようで、――うーん、上手く言い表せないけど結局余り他人とは折り合いを付けられないみたいで同世代に友達があまりいないようだった。 その美貌から男子からは好かれているけどそのせいで他の女子からはいらぬ妬みをうけ、余計小さい頃から仲良しだった僕とばかり遊ぶようになり今では重度の依存が形成されている結果になっている。 なんだかんだで僕としては姉を嫌いなわけではない。僕も価値観はずれているせいだろうけど(僕はどちらかというと社交的で友達はいる)ずっと一緒だから多少の問題は気にならないし、結構可愛いところもあると思う。好きとかでは全然ないけどね! だから別に姉の性格は問題でないんだけど過剰にベタベタしてくるからその辺がここのところ気になるようになってちょっと反発してしまうのだった。 僕ははぁと溜息をついて、椅子を立ちゲームの電源をつけた。現実逃避だー。 翌日――。 学校から帰リ道、小雨が降り始め、僕が家に着くころには激しい雨に変わっていた。あぶないあぶない、傘持ってなかったから間一髪。 「ただいま」鍵はかかっていなかった。玄関は外との対比で明るい。母は帰ってきているようだ。 「おかえりなさい」ダイニングのドアから母が出てきた。「帰って早々で悪いんだけど中学校に傘届けに行ってくれない。葦羽、傘持って行ってないから」 「えー」僕はちょっとしぶって「まあいいけど、百円くれたらね」 「ったく、じゃああげるから行ってね。場所わかる?」 515 そこまでキモくない姉 ◆XVFC49ny2Q sage 2010/07/18(日) 14 44 44 ID df90D46M 僕は傘をさして元気よく家を出た。強い雨の日に傘をさして歩くとザザザザと音がしてなんとなく楽しい気分になるのだ。僕は妹を迎えに行くお兄さんのつもりになって姉を迎えに行った。 市立肝阿音中学は家から十分くらいの場所にある。僕の通う小学校とは反対の位置にある。何カ月か前に姉が一緒に下校できないことを残念がっていたのを思い出す。 三つ目の横断歩道を渡って曲がり角を行くと正門が見えてくる。途中で何人も中学生とすれ違ったからもう下校時間は過ぎているだろう。 僕はちょっぴり緊張しながら学校の敷地内へ入った。きょろきょろしながら下駄箱を探す。途中で男子生徒に一年C組の場所を聞いてやっと辿り着いた。 ポツポツと何人か少なくなった生徒が出てくるが姉はその中にいない。 入れ違いになったかなと頭をポリポリかきつつも下駄箱の名前シールをひとつひとつ確認していく。あったあった佐藤葦羽。でも靴はない。僕はやっちまった……とため息をついて帰ろうとしたが上履きもない事に気がつく。ん、どういうことだ? 「あ、俊也」姉の声が聞こえた。 「姉ちゃん」振りかえると制服姿の姉がいた。だが心なしか悲しそうな顔だった。「どうしたの。傘持ってきたよ。帰ろうぜ」 「もうちょっと待ってて。ごめんね」姉は廊下の奥に戻ろうとする。 「待ってって」僕は靴を脱いで廊下にあがった。「どしたの?」 「えっとね……」姉は言いにくそうにうつむく。「靴がないの」 「え?」 僕と姉は協力して靴探しをした。僕は平時からよく探偵になる妄想をしていたのでいくつも鋭い予想をつけたが全部外れた。結局姉が自分で見つけた。 靴は隣のクラスの下駄箱の使われていない段にあった。姉の顔を見ていると僕は心が痛んだ。僕は姉の肩を二度三度撫でてやると姉は僕の顔を見てはにかんで「大丈夫よ。昔から何度かあったから」と言った。 僕たちは一つの傘をさして帰った。なぜなら僕はうっかりしていて自分の傘しか持ってきてなかったからだ。あいあい傘みたいで恥ずかしかったけど濡れて帰るわけにはいかないから並んで歩いた。 姉は僕が濡れないように少し寄ってくれていたので肩が濡れていた。僕は雨に濡れるのが好きだと言って自分は傘から出ようとしたが(かっこつけてたわけじゃないよ!)、姉が引きとめて結局二人で半分ずつ濡れて帰ることに決めた。男女平等だ。姉は賢い。 516 そこまでキモくない姉 ◆XVFC49ny2Q sage 2010/07/18(日) 14 48 01 ID df90D46M 家に帰ると母が「あらあらびしょ濡れじゃない。一緒にお風呂入ってきなさいよ。嫌じゃなければね」と言った。 僕はそんな事を言われてわざわざ反発すると逆に意識していると思われると考え、なんとも思ってないふりをして一緒にお風呂へ入った。 風呂の中で、姉の体はちょっとずつ変わっていっているのだなと思った。 恥ずかしいから横目でちらちら見るだけだったけれど姉はスレンダーながらもほんの少しだけおっぱいは膨らみ、前はすじが一本あるだけだったお股はそれを覆い隠すように薄く毛が生えていた。 僕のちんちんも産毛が濃くなってきてるし、二人ともちょっとずつ大人になってきているんだなあと感心した。そのあと姉に頭を洗って貰った。 お風呂から上がったあと僕は姉をゲームに誘った。僕が元気づけてやろうと思ったからだ。 チェスとチェッカーをやったが五回中四回負けた。最後の一回はなぜかすんなり勝てた。 そのあとはご飯を食べて宿題をして歯磨きしてトイレ行って最後に眠くなったので明日の準備をして寝ることにした。時計の針は十時をさしていた。 電気を消してもうちょっとでレム睡眠に入ろうというところで部屋のドアがゆっくりギィィと開いた。僕はうとうとしている猫みたいにビクッっと飛び起きた。 「俊也、起きてる?」 なんだ姉だ。 「寝てたよ、さっきまでね!」 「久々に一緒に寝ない?」僕の皮肉に気付いてないのか無視しているのか姉は言った。 「嫌だよ。この歳になって」 「じゃあちょっとだけ」姉は言うが早いか僕の布団にもぐりこんだ。枕まで持ってきていた。僕に許可を求める意味があったのだろうか。 「ばか姉」僕は背中を向けて言った。パジャマ越しの姉の体温が暖かかった。僕は仕方なくベッドの奥に体をよけてやった。だが姉もついてくる。 「あのね。今日、迎えに来てくれてありがとね」 「べ、別にいいよ……」 「嬉しかった」 「だから別にいいって」 「俊也、好きだよ」姉は僕の背中から胸のあたりにかけて細く柔らかい腕をまわしギュウっと抱きしめた。背中にも柔らかいものが当たっているのを感じる。 「もう、恥ずかしいだろ」 「俊也……」姉は僕の上に跨って対面で抱きつこうとした。僕が姉に押し倒される形になった。姉の体は軽かったけど払いのけようとは思わなかった。次の瞬間、僕の唇に姉の柔らかい唇があてがわれた。 僕はドキドキした。キスくらいなら何度もしたことがあったが、姉は今度は舌を入れてきたのだ。さくらんぼのような香りがする。いつもならば抵抗していただろうが僕は不思議とそのキスが嫌ではなかった。僕は目を瞑って口づけを受け入れた。 姉の小さな舌が僕の舌にチロチロ絡んできて正直気持ちがよかった。僕は股間がむくむく起き上がってしまうのを感じた。僕のあそこが姉のお腹に当たった。 「あ……」姉はキスをやめて口を離した。唾液がツーっとつたって離れた。 「はぁはぁ、姉ちゃん、もうやめよう」ぼうっとして頭が働かなかったけど理性を振り絞って僕は言った。けれど姉はやめなかった。 517 そこまでキモくない姉 ◆XVFC49ny2Q sage 2010/07/18(日) 14 49 58 ID df90D46M 姉は僕のパジャマのズボンの中に手を滑り込ませ、トランクスの下にも入り込み僕の肉棒を撫でた。 「あっ!」 「じっとしてて、気持ち良くしたげる」 姉の顔は暗がりの中で妖艶でいて可愛らしくもあった。 ニコッと余裕なく笑いながら下の方では僕の性器をゆっくりと指で上下させる。最初は何かくすぐったかったけれどだんだんと不思議な感覚が込み上げてきた。 「ああっ、何これ!」 「やっぱりこれ気持ちいいの?」姉はパァっと嬉しそうに僕の顔を眺めている。 そうだ気持ちいいんだと僕は思った。体の力が抜けて、ちんちんがかゆくなって、擦られるたびにどんどんかゆく、それでいて快感が押し寄せてくる。だめ、おしっこ漏れそう! ピタ、と姉の指が止まった。おちんちんの強張りが全然収まらない。ほんというともっとしてほしかった。 「もっといいことやってあげる」そう言うと姉は布団の中に潜り込んで、僕のズボンをパンツごと引き降ろした。そして――僕のおちんちんは何か温かいぬめぬめに飲み込まれた。強烈な快感が全身を駆け巡る。 「ちょ、なにこれ。だめっ」 「きもひいいの?」僕のあそこが振動を感じた。僕はもしやと思った。布団をのけると、ぼくのちんちんを姉が咥えていた。 いつもの可愛いお姉ちゃんが口をすぼめて僕のを咥えて、頬をへこまして、そして口を上下させ僕の性器を刺激する。その姿のいやらしさで僕は興奮の絶頂に達した。姉ちゃんが僕のおちんちんを咥えてる! 姉は舌で僕の性器を舐めはじめた。時々歯が当たって痛いけどそんなことは気にならないほど気持ちよくて仕方なかった。 「はぁっ、姉ちゃんっ、ねえちゃんっ!」 姉が上目遣いで僕の顔を見上げる。愛撫が強くなっていく。舌がうねうねと先っちょに絡みついたとき、僕はちんちんの先から何かがほとばしるのを感じた。 「ああああっ!」僕の根っこがドクンドクンと何度も脈打ち、今まで経験した中で最上の快楽の波が僕の中ではじけ、その間も姉ちゃんは僕のちんちんを吸い上げ、ピュッピュッと僕のすべてが姉ちゃんの口の中に放たれていった。それはだいぶしてから、やがて収束した。 518 そこまでキモくない姉 ◆XVFC49ny2Q sage 2010/07/18(日) 14 51 30 ID df90D46M 「きもひよかった?」姉は口を開いて僕に見せ、口の中の白いものをごくんと飲み込んだ。「俊也のせーしだよ」 「はぁ……はぁ……せいし?」 「性教育で習わなかったの? 赤ちゃんのもとよ」 僕はやっと理解した。今のが精子――射精だったのか。 姉は僕の体をきつく抱き締める。幸せそうに目を瞑って僕の胸に頬ずりする。 「大好き、俊也」 僕も姉の頭をやさしく抱き締め返した。 「ぼ……くもだよ」照れながらぼそっと呟く。 姉はその言葉を聞くと急に泣き出し始めた。僕は慌てて姉の頭を撫でる。繊細で柔らかい髪がサラサラと手の下で流れる。問答無用でかわいいと僕は思った。 「と、し……や」と何度か呟いていたが、姉は安心したのかそのまま寝てしまった。追うように僕も余韻を味わう暇もなく意識が引きずり込まれていった。 目が覚めると薄暗いけれど、もう朝だと認識できる程度には明るかった。時計を見ると五時五〇分。 姉はまだ僕の腕の中で眠っていた。寝顔すらとんでもなくキュートだった。しばらく姉の顔を眺めていると、姉も目を覚ました。 「あれ、としや……? ……あ!」姉は思い出したのか頬を朱に染めた。「あれは昨日すごくうれしくて、それで――」 僕は微笑んだ。姉もクスクスと笑い返した。そうしてしばらく抱き合っていた。 後から聞いたのだが父の書斎で見つけたエロ本を読んで、俊也はこれをしてあげたらこの漫画の男みたいに喜ぶだろうかと前々から妄想していたのだそうだ。 「これからもいつでもしてほしくなったら呼んでね。お姉ちゃんが全部処理してあげる」その言葉通り僕はそれからオナニーを知るまで当分の間、毎日姉に口で奉仕させた。ま、覚えてからもさせたんけど……。 ――と、この後も色々あったけれど、僕が本格的に姉さんの尻に敷かれていくのはこの事件からだった。僕の愛くるしい反抗期、牙なんて速攻でへし折られて飼いならされていったのだった。 人前でいちゃつくのは流石に恥ずかしいけれど僕だって本当は姉さんが大好きなんだ。でも時と場所は考えてほしいかな、やっぱり。
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/135.html
345 名前:彼方より来た姉 ◆lnx8.6adM2 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 03 49 34 ID sieKQt3d 今思い返せば姉さんは変わった、 より率直に僕の心情を吐露するのならおかしな人だった。 姉木 想火(あねき そうか)。 優秀で優麗。 誰よりも賢く誰よりも強く誰よりも美しく誰よりも僕を愛してくれた姉さん。 どんな時でも僕の傍にいた姉さん。 いつも僕を傍に置いていた姉さん。 朝起きれば傍らに、食事の時は前に、道を歩けば隣に、帰り道は横に。 対等な時は僕の腕を取り僕の手を握り僕と指を絡め僕の顔を見詰め僕の歩幅で歩き、 甘える時は僕の頭を抱き僕の背を撫で僕の胸に触れ僕の首筋を吸い僕の頬に口付け、 ある時には僕の喜びを共に喜び僕の怒りを共に怒り僕の哀しみで共に哀しみ僕の楽しみで共に楽しんだ、 僕よりも僕に詳しく、 僕よりも僕に真剣で、 僕よりも僕を愛する、姉さん。 何処にいても何時であっても何をしていてもどんな事情があっても、 半身のように影さながらに僕の傍にいた姉さん。 その、常に傍らにあった姿を疎ましく、いつも注がれる愛情を煩わしく思い始めたのはいつだったか。 「ふーっ。取り敢えずはこれで一段落、かな」 少ない荷物を開封し終えて、一息付く。 狭っ苦しい、だけど余分な物が何一つ存在しないボロアパートの一室。 僕は受験を期に引越して来た、今日から我が家となる場所で伸びをした。 家を出ようと思ったきっかけは両親の一言だった。 受験を期に自立しろ、と。 ただそれはきっかけであって直接の原因ではない。 姉さん。 実の姉から離れること。それが目的で、長年考えてきたことだった。 両親の言葉は、その時期を早めた程度のものでしかない。 むしろ有り難いくらいだった。 或いは、両親も姉さんのことに頭を悩まさせ、 姉さんから僕を引き離そうとしたのかもしれない。 姉さんは完璧だ。 何でも出来る。何でもこなせる。 家族と比較すれば鳶が鷹をどころかミジンコが人間を生む。 そう言えるほどに優秀で、かつ非の打ち所のない人格者。 ただ、そこに僕と言う要素が絡まりさえしなければ。 姉さんはブラコンだ。それも過分に過大、過度で重度の行き過ぎた。 僕が何処に行くにも付いてくるし、僕が何をしていても横に居る。 僕を叱ることこそあるが基本的にはだだ甘で、 べったりどころか離れている時間の方が少ない。 それでいて勉強も運動も社交も何もかもあっさりと完璧にしてしまう。 僕が幼い頃はそれでも良かった。 だが、弟はいつまでも弟だとしても子供で在り続ける訳ではない。 人間、成長すれば物の見方も変わってくる。 傍に居るという心強さは煩わしさへ。有り難かった愛情は耐え難い重さへ。 どうしようもなく変化していく。 姉さんが嫌いなのではない。 しかし、姉さんが僕に向ける想いは大きく、そして重い。劣等感もある。 自分より賢く、強く、美しく、優しく、人に好かれ、何一つ欠点のない人間が居れば、 それも絶えず傍に居続ければ、自分と比較せずにはいられない。 劣等感。 誰もが姉さんと僕を比べて首を傾げるし、でなくても僕自身が比較してしまう。 本当に姉弟か、と。 同時に、姉さんの青春を時間を才能を可能性を、僕如きのために浪費させるのも良くないと思うのだ。 僕に構う時間を他の事に使えば、姉さんは直にでも偉業の一つでも打ち立ててしまえるだろう。 それが勿体なく、申し訳ない。 自分がひどく罪深いことをしている人間のような気分になる。姉さんは否定するだろうけど。 346 名前:彼方より来た姉 ◆lnx8.6adM2 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 03 50 36 ID sieKQt3d 「少し休む・・・ついでに夕飯も食べて来ようか」 だからこそ、僕は家を出た。 理由を問い質す姉さんに答え、 引き止める姉さんに決意を語り、 それを許さない姉さんを説き伏せ、 わあわあ泣きじゃくる姉さんを宥め、 腕に縋りついてくる姉さんを振り払い、 抜け殻のようになった姉さんの姿を背に、 僕は後ろ髪を引かれながら姉さんと別れた。 それから一週間程。 僕は新学期を前に、残り少ない春休みの一日を部屋の整理に当てている。 と言ってももともとかなり荷物が少なく、朝から取り掛かっているおかげでもう粗方済んだ。 時刻は既に夕刻。 休憩がてら早めの夕飯をとったとして、夜には終わるだろう。 そう思い、数歩の距離にある古びたドアへ足を向ける。 ぴんぽーん、とどこか間の抜けた音が鳴った。 「・・・・・・あれ?」 誰、いや何だろうか。 僕は引っ越したばかり、荷物も届いたのは今朝だ。 個人情報の保護が叫ばれる昨今、まさかこの早さで新聞の勧誘やテレビの集金もないだろう。 どちらにせよ前者は取る積もりも余裕もないし、後者は設置さえしていない。 此処は住人も少ないのでお隣さんもいない。 友人知人が訪ねて来る可能性も、その他色々な事情から皆無と断言出来る。 両親以外で、僕の引越し先を知っている人間はいないのだ。 新学期もまだで、新しい友人も作っていない。 「管理人さんかな?」 妥当なのはそれか。 払うものは払ったので可能性は低いが。 言い忘れた注意でもあるのかも。 そう判断してドアへ向かう。 ガチャリと、かけた鍵の開く音がした。 「え?」 ばん、とドアが開かれる。 差し込む夕日を背に、細めた目に浮かぶ輪郭。 見覚えのあるそれは。 「蒼河(そうか)ちゃんっ!」 女性特有の、そして特に聞き慣れた高音で名を呼ばれた。 決して男らしくはない名前。 姉さんが強行に主張して名付けたと言う僕の、姉さんと同じ名前。 僕に対してその呼び方をするのは一人しかいない。 「え!? 姉さ────────」 「蒼河ちゃん蒼河ちゃん蒼河ちゃんっ!」 タックル。 跳び込んで来た姉さんに押し倒され、強かに後頭部を打つ。 347 名前:彼方より来た姉 ◆lnx8.6adM2 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 03 52 23 ID sieKQt3d 「ああ・・・蒼河ちゃんだ。本当に蒼河ちゃんだ。 蒼河ちゃんの肌、蒼河ちゃんの体温、蒼河ちゃんの匂い。 蒼河ちゃんの────汗」 「っつぅ・・・姉さん? 一体、どうして此処に・・・ぅうっ!?」 冷房のない部屋の中の作業、首筋に滲んだ汗を舐め取られる。 犬猫のそれと違ってゆっくりと丁寧に、撫でるように擦り付けるように舐め上げられた。 堪らず声が出る。 くっ、と反射的に上向いた背と首が戻ると、嬉しそうな姉さんの瞳と目が合った。 「久し振り蒼河ちゃん。本当に久し振り、蒼河ちゃん。 どうして一週間もお姉ちゃんの傍からいなくなったの? 蒼河ちゃんの姿が見えなくて声が聞けなくて肌に触れられなくて匂いを嗅げなくてキスが出来なくて、 お姉ちゃん死ぬかと────ううん、死んだかと思っちゃった」 「ね、姉さん、それは説明・・・いやそれよりどうして此処に? いやそもそもどうやって鍵を?」 「うふふ。だって家族だもの。お姉ちゃんは蒼河ちゃんのお姉ちゃんだもの。 合鍵を借りるくらい簡単だよ。 それに、知ってるでしょ? 物理的だろうと電子的だろうと、お姉ちゃんの前には鍵なんて飾りです。 住所も、一週間あればテロ組織の拠点まで見つけられるよ」 背中から倒れた状態のままの僕に抱きつき、 胸板に顔を擦りつけながら上目で姉さんは言った。 確かに過去、姉さんにはありとあらゆる自室の鍵を無力化されている。 ついでに、回答を一つ先回りされた。 姉さんに、此処の住所は教えていない。 両親に口止めもしていたが、無駄だったようだ。 姉さんは呆れるほど優秀で、怖ろしいほど完璧で、信じられないほど完全だが、 僕に関係することでは特にその能力を発揮する。 説得にばかり意識を裂いて、後のことを失念していた。 他の事には万事において大した関心を向けない姉さんだが、 僕の事にだけは親のように過保護で、家族のように心配性で、恋人のように盲目的で、 決して諦めたまま終わる人ではなかったのだ。 「蒼河ちゃんが何処に居ても一緒、何をしても一緒、どんなことあっても一緒。 それがお姉ちゃんだもの。 誰にも邪魔はさせない。 誰の邪魔でも許さない。 誰が邪魔でも関係ない。 それが、お姉ちゃんだもの。でも・・・・・・今度のは、ちょっと辛かったなぁ。 ねえ蒼河ちゃん。ねえねえ蒼河ちゃん。 何がいけなかったのかな? 何が足りなかったのかな? 何が、行き過ぎたのかな? ねえ教えてよ、蒼河ちゃん。 お姉ちゃん、あれから考えたんだ。蒼河ちゃんがお姉ちゃんから離れようとしたのは何でかなって。 でもね。考えても答えは出なかったの。ダメだよね? 天才とか色々言われていても、お姉ちゃん、蒼河ちゃんの事が関わると何も分からなくなっちゃうの。 だから、ね。蒼河ちゃんが教えてくれないかな? 駄目な所は直すから。直せない部分は切り捨てるから。 たとえそれが何であろうと、お姉ちゃんは蒼河ちゃんのためなら────」 「ストップ! 姉さんそこまでっ! とりあえず一旦体を退かせて欲しい。 ドアが開いたままだし万一見られでもしたら・・・うん?」 348 名前:彼方より来た姉 ◆lnx8.6adM2 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 03 54 47 ID sieKQt3d 姉さんの細い肩に手をかけて引き剥がす。 姉さんの技量なら難なく僕の抵抗を無にできるはずだが、 言葉を切ってあっさりと退いてくれた。 こういう所は本当に優しいというか押しが弱い。 唯一、僕から距離を取る事だけは絶対に了承してくれないけど。 「ねえ、姉さん。アレは何かな・・・?」 姉さんが体を退かせてくれたお陰で見えるようになった視界の中に、妙な物がある。 旅行用のキャリーケースだ。それもかなり大きい。 「ああ、アレ? アレは私の荷物だよ蒼河ちゃん」 「え・・・荷物? ちょ、ちょっと姉さんどういう事!? まさか此処に住む積もり?」 「うん、そうだよ」 頷き、当たり前じゃないそんな事お姉ちゃんは蒼河ちゃんの傍に居るんだから何があってもずっと、 と姉さんは言うが冗談じゃない。 これじゃあ本末転倒以前の問題だ。 住み慣れた家を出てわざわざ引越しやその他色々な苦労や金を使ってまで姉さんから離れたのに。 「ね、姉さん。でも悪いけど此処は姉さんと二人で住めるほど広くはないし」 「お姉ちゃんは蒼河ちゃんが傍に居るなら住む場所なんて何処でもいいよ」 一蹴された。 「御飯は今まで通りに全部お姉ちゃんが作るし、蒼河ちゃんがいれば娯楽なんて要らない。 布団は蒼河ちゃんに抱き締めて貰うから別にいいし、此処の広さでも二人は並べるから。 住所と一緒に此処がどんな部屋のかも調査済み。お姉ちゃんは一向に構わないよ」 「う・・・あう・・・」 まずい。 完全に姉さんのペースだ。このままでは引越しも終わらない内に事が終わってしてしまう。 そう思った時。 「それに、いざとなったら引っ越せばいいし」 「いや、それは無理だよ姉さん。 僕はもうお金がないし、幾らか出して貰ったばかりだから父さん達ももう協力してくれないよ」 「ふふ・・・そっか。蒼河ちゃんは知らないよね。知っているはずがないよね?」 そう言って、身を起こすとぱっとキャリーケースの下へ歩く。 「お姉ちゃん、ちょっと訂正するね。 これは蒼河ちゃんとお姉ちゃん、二人の荷物だったよ」 告げて、笑みと共に開かれたそれから。 ボトボトと、札束が落ちた。 「お金なら沢山あるの。 蒼河ちゃんと買い物に行ったりするのはいいけど、毎回お金を下ろすのも面倒だしその時間が勿体ないから、 そのまま持って来ちゃった。お姉ちゃん、カードは持ってなかいし」 厚みから言って、テープで纏められたそれは一束辺り百万円。 せいぜいがテレビでしか見たことのない代物だ。 349 名前:彼方より来た姉 ◆lnx8.6adM2 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 03 56 54 ID sieKQt3d 「姉、さん。どうしたの? そのお金」 まさか姉さんが偽札に手を出したはずもない。 稼ごうと思えば、姉さんならゼロから始めても幾らでも稼げるだろう。 だが、それにしても額が大き過ぎる。 はちきれたようにケースの圧力から開放された札束は幾つかが安いアパートの床に転がり、 ケースの内部には落ちた分の何十倍という数が詰め込まれている。 姉さんがわざわざ所得を僕に隠していたはずもない。 そもそも、能力はあっても僕と要る時間を減らさないために姉さんはろくに働いていなかった。 それでも人並みには稼いでいたとは言え、この一週間足らずでどうやって。 「保険金」 姉さんはどうでもいい事のように呟いた。 「これはお父さんとお母さんが死んだから貰った保険金なの。 教えたら蒼河ちゃんは泣いちゃうと思ったから、直ぐには教えなかったけど。 蒼河ちゃんがお家を出て行った二日後くらいかな。 お父さん達が落ち込んでるお姉ちゃんを見て気分転換させるために連れ出したドライブ先で、 二人とも死んじゃった。 体を縦に引き裂かれたみたいになって。 お父さん達が、蒼河ちゃんとお姉ちゃんの間を引き裂こうとしたみたいに」 「・・・・・・ぇ」 多分、上手く声は出なかったと思う。 姉さんは僕に嘘は言わない。真実を語らない事はあっても、嘘だけはつかない。 だけど、僕は姉さんの甘い声で語られる情報を認識出来なくて。 「あ、やっぱり悲しい? そうだよね。 お姉ちゃんも、蒼河ちゃんを産んでくれたお母さんとお父さんには感謝してるし。 でも・・・その死を悲しんでばかりもいられないんだよ?」 姉さん。 姉さんは、僕に何を言っているんだ。 「これから、蒼河ちゃんとお姉ちゃんは二人で生きて行かなくちゃいけないの。 このお金はそのために、 蒼河ちゃんとお姉ちゃんの生活のためにお父さん達が残してくれたんだから。 だからお姉ちゃんも、直ぐに手に入るように手配したし。 あ、でも蒼河ちゃんは気にせず使っていいからね? お姉ちゃんが適当に増やすから。株なり何なりで。 蒼河ちゃんが欲しい物を買うためだったら、お姉ちゃんいくらでも頑張っちゃう。 ・・・・・・でもね、蒼河ちゃん。その前に一つだけ言っておきたい事があるの。 聞いてくれる?」 350 名前:彼方より来た姉 ◆lnx8.6adM2 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 03 59 27 ID sieKQt3d 「・・・・・・」 僕は、反応、出来たのかどうか分からない。 だが姉さんは僕の瞳を嬉しそうにしばらく見詰めた後、笑うように唇を開いた。 「お父さん達が死んじゃって、蒼河ちゃんとお姉ちゃんは二人だけ。 たった二人だけ残された家族なの。 ねえ、分かる? この意味が。 残された家族は、身を寄せ合って生きて行かないといけないの。 もう二度と引き裂かれたりしないように。もっともっとお互いを大事にするために。 だから。だからね、蒼河ちゃん?」 姉さんが喋っている。 姉さんの話を信じるなら、もう僕に唯一人だけ残された家族である姉さんが。 「お姉ちゃんともっと仲良くなろう? 居なくなった人間の分だけより強く、より深く、より太く、家族の、姉弟の絆を作ろう? そうしてお姉ちゃんと蒼河ちゃんだけでずっと、ずぅっといつまでも寄り添って生きて行こう? だって────」 最後、ふわりと歩き出したかと思うと姉さんは僕の前に屈んで。 「お姉ちゃんと蒼河ちゃんは血の繋がった姉弟だもの」 僕と唇を合わせて、微笑んだ。
https://w.atwiki.jp/a_jack/pages/17.html
姉の下着盗んでたのがバレた 【テンプレ】 わがSOS団は初代 1の帰還と、新勇者を広く募集しています。 過去に姉の下着を盗んだのがパレた人、 今現在姉の下着を盗んだのパレて非道い目にあって仕返ししたい人、 遠からず姉の下着を盗もうとする人、そういう人がいたら我々に相談するといいのです。 たちどころに解決に導きます。確実です。 ※SOS団=下着盗んだのがお姉ちゃんにパレてしまった団 【注意事項】 過激な内容を含みます。 エロ・変態・鬼畜に拒否反応を示す方はご遠慮ください。 姉パレまとめ関連相談室:http //yy.atbbs.jp/anepare/ 姉パレのまとめこちらに移行しました 『姉の下着盗んだのがパレた』まとめ http //www29.atwiki.jp/anepare 新勇者&新住人随時募集中 _ ∩ ( ゚∀゚)彡 歓迎!歓迎! ( ⊂彡 | | し ⌒J コテ紹介 コウ 姉・姉友の下着を・・・。このスレのキングです。 ※まとめEX以降は鬼畜・変態モードが入っています。 騎士(騎士王・お気楽) 義姉の下着を・・・。愛する人を守るナイトです。 ※まとめEX以降は鬼畜モードが少し入っています。 和製 上姉の下着を・・・。そして下姉にいつも心配をかけている。 フォル 姉のパンツをかぶって・・・。 このスレがエリート(鬼畜)教育したエロゲ展開満載の王子です。 弟喰姉さん 5歳ほど下の弟に萌え。このスレの姐御です。 卒業後はAE(AfterEpisode)編でどうぞ。 ユリチー(みゃぁ、百合乙女) 妹、妹友を百合に・・・。彼氏ができたことと受験とでスレを卒業。 卒業後はAE(AfterEpisode)編でどうぞ。 木刀(便座) 従姉が家に居ついて・・・。とんでも行動はVipperの鑑。 歩血 バンドメンバに呼び出されて・・・。病弱で女難(と男難)の相あり。 アル ママ代わりの義姉に抱きついて・・・。潜在能力はコウ並みか?! 揉男(揉乙女、モルボルワースト) 姉に襲われたりして・・・。同級生の取り合い対象になったりと女難の相あり。 変態劇場 近所の姉妹に変態行為を・・・。なぜかコウに憧れる変態君。 クマー! 騎士の報告に涙して・・。下着に釣られクマー。 勃妃 弟の隠し事を追及して・・。ドSな女王様です・・・ってあれ? 無蝕童帝 義妹虐めすぎて家族会議に・・・。でもターゲットは義姉。 茄子王 飲み会で胸を揉んで・・・。勇者というより凄腕の傭兵というかw 平手 理不尽な姉に平手を・・・。 トランクス 従姉にトランクスを盗まれて・・・。 姉妹どんぶり 風呂入りに行ったら姉に遭遇して・・・。ハルヒにぞっこんw 姫始め 同じ塾の姫にアタックしようとして・・・。なぜか姉へのいたずらは平気w 鬼棒 義姉に手マンして・・・。まさに鬼のようにどSだwww 下僕弟(にゃんこ弟) 妹の下着を・・・。いじられキャラ。 これまでの勇者の軌跡 ログ(datファイル)倉庫 アクセス数合計 - 人 今日 - 人 昨日 - 人
https://w.atwiki.jp/niconico_singer/pages/299.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (変態姉.jpg) 名前:変態姉 通称:変態姉 よく使われるタグ:きんかんは正義、キンカン動画、弟逃げてシリーズ、愛すべき馬鹿 声の特徴:喘ぎ入りの姉ボイス 作品の特徴・傾向 弟との近(中略)姦を執拗に狙う飢えた野獣の如き姉の変態ぶりを綴った替え歌が殆ど。 その方面に耐性の無い方がうっかり聴けばドン退き間違いナシなので注意。 数少ないが「変態じゃない姉Ver.」も一応ある。 一時期たかし(シコシコ動画の人)の下ネタ動画をカバーした唯一の歌い手だったが、その後たかし人気が爆発して他にもカバーする歌い手が続出している模様。しかし最初に果敢に挑んだ彼女のチャレンジ魂は何ら色褪せることはない。 人物・その他の特徴 あのデッドボールP屈指の名(迷?)曲「私は人間じゃないから」を変態替え歌にしたことで、デPの注目を浴びる。後にデPが弟役で変態ソングをコラボするまでに発展、今後の動向が気になるような、ならないような。 歌唱力はハッキリ言って並だが、エロい歌詞には良くも悪くも定評がある。 弟が実在するのか単なる妄想なのかは不明。 動画 公開マイリスト 弟が覗けない(変態姉①エアーマンが倒せない) 私は人間じゃないから(変態姉ver.)歌ってみた。けど・・・ ほうけいっていいな【女版】(変態姉) ソルト【紅音ミクfeat.加藤鷹】を変態姉が歌ってみた 関連動画 コラボ 1LDK歌ってみた(デP+変態姉)デッドボールPとの変態コラボ 編集業務連絡 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/549.html
974 スレ落ち 姉Ver sage 2008/10/31(金) 14 24 37 ID X6wjlrXt ねぇ弟君……明日から当たらしい所に行くんでしょ? あーあ、弟君のオチンチンが、お姉ちゃんだけのモノじゃなくなっちゃうのか…… お姉ちゃんね、最後に思い出が欲しいな。良いでしょ? 安心して……セックスじゃないわ。このまま手でイカせてあげるから、私の事を忘れないでね。 はっ? 気にしなくて良いわよ。手足を縛ってるのも、弟君が暴れない様にしてるだけだから。 コンドーム被せてるのも、セックスしようとしてるんじゃなくて、部屋にザーメンが飛び散らないようにしてるからなのよ? だからさ……だから、さっさとイケよガキがっ!! ふっ、んっ!? ははっ……やっとイッたわね。コンドームがパンパンになるまで射精して、そんなに姉の手が気持ち良かったの? 変態ね、弟は…… 変態のクセに、私から離れようとするなんて生意気なのよ!! まったく、はぁっ……あつっ、ふうっ! えっ? なにしてるんだって? そんなの決まってるわ。 ソファーに寄り掛かって、左手でアソコを広げてるのよ? 右手には出来立てのザーメンがたくさん入ったコンドーム。 それを穴の上で搾っちゃえば……はぁっ、ふんん……奥まで、流れ込んで来るよぉっ♪ 着床させたいよって、お腹をおっきくさせたいよって、弟の精子が刺激してるよぉっ♪♪ んっ……安心しなさい弟。お姉ちゃん、バッチリ妊娠促進剤を飲んでるから。キッチリ排卵してるわ。 たぶん弟だけよ? 童貞のまま女の子を妊娠させちゃうの。 ねっ? 一緒に落ちましょうヘ、ン、タ、イ、さん♪
https://w.atwiki.jp/kurumada-manga/pages/9.html
かなりの確率で主役級キャラに『姉キャラ』がいる場合が多い。 ただの血縁上の姉キャラ、師匠の姉キャラ、両方を兼ね備えるハイブリッド姉キャラに大別できる。 ■姉キャラ 作品名 主役級キャラ ハイブリッド(血縁上の姉+師匠) 血縁上の姉 師匠 リングにかけろ 高嶺 竜二 高嶺 菊 — — 聖闘士星矢 星矢 — 星華 魔鈴 B T-X 高宮 鉄兵 — — 華蓮 リングにかけろ2 大村 竜童 — 小菊(義姉) — 聖闘士星矢 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 風魔の小次郎 1 (集英社文庫―コミック版) リングにかけろ1 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) リングにかけろ2 1 (ジャンプ・コミックスデラックス)
https://w.atwiki.jp/niconicoimouto/pages/33.html
姉にばれたので一緒に最強○×歌ってきた 皆のコメントが暖かかったので怒られずにすんだ。マジでありがとう。自分だけうpされた姉に拉致られてカラオケで音源山取りしてきました。カオスverや他ネタも近々うpりますが、動画テクがないのでひとまずこれだけ。姉弟ユニゾン。お互いうろ覚え。→姉にGod knowsを歌わせてみた!sm539257 →姉が乗り気なうちにみくる伝説歌わせてみた!sm550102 【新作】姉とマダオのTAKADA BAND歌ってきた→sm620070 ※二人とも上手い
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/454.html
367 :1 [sage] :2007/02/06(火) 22 30 49 ID nNWoFujZ 「ああ、またあってる」 そう佐藤育は微笑んだ。その目線は、同年代と思われる女性と話している彼女の弟へと向けられている。 朝、私の手料理を食べた弟は、いつものそっけない顔を少し微笑ませて出かけていった。 その姿が妙にしこり、家事を放棄して来て見ればコレだった。 弟と話している女性は、確か弟の会社の同僚だったはずだ。いつか書類関係を片付けるために家に来ていたのを覚えている。 人当たりのよさそうな娘で、なかなかよい子のようだった。頻繁に弟と会うと言うことを抜かせば。 育と弟の伸は、姉が大学に入る頃父親を無くし、その2年後、伸が高校を卒業すると同時に、母親も他界した。 姉は大学を中退し、弟も高校を卒業後、すぐに就職した。 二人は親の持ち家であったマンションに二人で生活し始めた。 姉は家事が可能であったし、弟は健達で二人は仲睦まじい姉弟として、近所の評判もまぁまぁだった。 姉は弟の事がそれなりに好きで、小さい頃から面倒を見ていた。勉強もよく見たことがあり、そのおかげで成績も上々で、それなりの大学に入る事も可能だった。就職ではなく進学した方 がいいと先生にいわれたらしいが、弟はすんなり断ったそうだ。 「僕には姉しかいませんから。姉が居れば他にほしい物もありませんし」 可愛いことを言う。そう思って育はほほを染めた。 伸は、姉の育はキライではなかった。いや、グラフにすれば好きの値域に入るだろう。 父親が死んで、母親が少々無理をし、高校卒業を目前として他界。父親が死んだとき、人は簡単に死ぬし、いつかは死ぬのだからとわかり、母親が死んだことにもそれほど驚きや悲しみは 無かった。 大学進学も視野に捕らえた人生設計をと教師にいわれていたが、彼にははじめから進学などと言う言葉は無かった。 「ほら、内は姉しかいないし、姉を圧迫するのもあれですから。それに、進学よりも、やりたいことありますしね」 そう、笑いながら答えた。 369 :2 [sage] :2007/02/06(火) 22 31 39 ID nNWoFujZ ちょっとタイミング悪いみたいですけど、そのまま投下させて頂きます。 事件が起きたのはその一年後だった。 弟は自動車整備工場でエンジンをきっちり組む程度になり、稼ぎも安定してきた。 「姉さんはボクが養うから、姉さんは働かなくていいよ」 まるで夫婦宣言のようなその言葉に、育は喜んだ。だがあまり弟に甘えるのはよくないと、彼女はパートの時間をすくなする程度に抑えた。 育は開いた時間を弟の部屋で過ごすことが多くなった。部屋に溜まっている埃を掃除し、エンジンチューニング科学をいう専門書を本棚に片付けた後は、弟の汗の臭いが染み付いたベット にもぐりこみ、体を撫で回し、絶頂を迎えた。体が浮くなどと言う生易しい感覚ではなく、その場で存在が溶けだし、自身が無くなってしまうような強烈な感覚。 優しい弟、カッコイイ弟。私の育てた、可愛い弟。 出来ることなら、その弟の腕で力いっぱい抱きしめられたいと、育は思った。 その晩のことだ、育は弟に力いっぱい壁に押し付けられ、初めての唇を奪われ、処女を奪われた。はじめは姉弟なのにという倫理観が彼女を悩ませたが、伸の熱い思いをたくさん受け止め ると、そんなことはどうでもよくなった。 「好きだよ。姉さん」 そんな甘い言葉をささやかれ、仲に出される。汗の臭いを全身に塗りこまれるように抱かれると、これ以上の幸せは無いと、育は思った。 近頃、少々姉が変わってきたと伸は思った。どこへ行くにも付いてこようとする様になった。それらはべつにいい。それほどのことでもないし、付いてこられてもやましいことはない。だ が、女性の話題になるとかなり気性が荒くなる。たとえば、テレビに映る女優などをみると「そんな女見ることはないでしょ! お姉ちゃんが居るんだから!」とヒステリックに騒ぎ立てる 。 疲れているのかもしれない。稼ぎが上がってきたといっても、姉の助けが必要であることは変わりは無いのがつらい所ではあるが、体調の方が大切だということで、姉にパートの時間を少 なくするように言った。姉は素直に従った。 それとはべつに、ある女性と知り合った。同僚となった女性で、姉の大学時代の後輩ということだった。 姉から自分のことを話されていたらしく、名前と雰囲気ですぐにわかったそうだ。姉が変なうわさを流して無いことを祈るばかりではある。 姉に会いたいというし、伸はおとなしく彼女を家へと連れて行った。 料理していたらしく、姉はエプロン姿で出迎えた。いつもどおりの満面の笑顔で綺麗な黒髪をポニーテールにしている。 「育さん、おひさしぶりでーす」 自分の後ろから顔を出し、そう同僚が声をかけた。 姉はきれいな笑みを浮かべて答えた。 370 :3 [sage] :2007/02/06(火) 22 32 16 ID nNWoFujZ 「ダレ?そのオンナ」 伸は状況が一変したことを感じた。半身がゾクリとうごめき、なんとも言えない独特の感覚が脳を直撃した。 「やだなぁ 大学時代にお世話になったモンっスよ」 「出てって」 彼女の言葉を聞く気も無いさめた口調と台詞。 その雰囲気に、彼女も異様なものを感じだ。 「出ってって」育は、低い声で言った。「出てけ・・・さっさと出てけ!」 ヒステリックな叫びだった。その叫びにおびえ、彼女は小さくな挨拶と謝罪をして、家を飛び出して言った。 それを聞きながら、伸は目線を姉から動かせなかった。そして、体が妙に熱くなる。だが、脳は限りなくクールだった。 同僚が出て行くのを確認すると、姉は普通の状態に戻った様で、「ご飯食べよう」と、いつもより少し甘い声で言った。 靴を脱ぎ、居間へ入るときも、ゾクリとしたものを感じていた。 いやな予感を感じ、いつもは履くスリッパを履かずに、伸は居間に入った。 373 :4 [sage] :2007/02/06(火) 22 33 23 ID nNWoFujZ 夕御飯を並べたテーブルの横、姉が少し冷たいような、上気した顔で静かに立っていた。 包丁を持って。 「前からいってたよね。伸にはお姉ちゃんがいるって」 包丁はキッチンにあるものだった。 「お姉ちゃんには伸がいるから、伸もお姉ちゃんが居ればいいよね」 刃渡りは約20cm。調理用出刃包丁。純手で持っている。 姉が虚ろな表情で歩き出した。距離約1,5m。間合い内に入った。背中がさらにゾクリとうずく。 「お姉ちゃん、伸のこと大好きだから、なんでもしてあげるよ」 腰溜めから包丁を突きさしてくる。可能性大。 「脱げって言えば脱ぐし、セックスだってしてあげるよ」 切り上げの可能性は低い。後方確認。約2mほど空がある。一歩下がることが可能。 「お口でなめてあげるし、おしっこも飲んであげるよ。お尻でもさせてあげるし、いくらでも中出ししても大丈夫だよ」 すぐ動けるよう、足の指が力をため、足の裏の接地比を前へと動かす。 「お姉ちゃんは、伸の子供なら何人でも生んであげる。うん。生ませて欲しいな。伸のこと本当に愛してるから」 体が小さくなる感覚。違う。筋肉が緊張し、体に芯を通したような感覚を覚える。日常ではない非日常。体が異様に興奮する。 「でも、私が愛してるのに、伸が女の子を連れてくるのはがっかりだな。いけない子だよね」 次の動きはなんだ? どうした!速くやってくれ・・・! 「いけない子には、お仕置きしなきゃいけないよね?」 包丁を持った右腕が、高く上がった。上から振り下ろす。 伸の右足が地面を蹴り、左手が包丁を持った右腕を上手くつかむ。よし! そのまま姉を壁に押し付け、包丁を持った右腕を壁に叩きつける。包丁が落ち床に刺さった。 同時に、壁に押さえつけた腕に、さらに荷重が掛かる。見ると、姉が気を失っていた。 姉をそっと床に座らせる。まるで人形のような、力の無い姿だった。 まだ心臓が高い回転数で鳴っている。指先が震えている。だが、この充実感。新しいエンジンを組み、アイドリングを確認した以上の興奮。感動ではない、違う胸の高鳴り。 落ちた包丁で、姉が怪我をしていないのを確認し、姉を彼女のベットへと運んだ。 そういえば、姉の部屋に入るのはしばらくぶりだ。中学だか、高校だかの時に入って以来だと、扉を開け、ベットへ寝かせた。エプロンを解き、ロングスカートのボタンを少し外し、タオ ルケットを書け、部屋をあとにした。 375 :5 [sage] :2007/02/06(火) 22 33 55 ID nNWoFujZ 育が目を覚ましたのは午前1時ごろだった。だが、意識はまだしっかりしていなかった。夢遊病患者のような、虚ろな目でベットから這い出し、歩きづらそうな歩調で、部屋をあとにした 。途中、踏んだスカートがずれ落ち、大人のランジェリーがあらわとなった。 そのまま弟の部屋に静かに入った。弟は綺麗な姿勢で寝ていた。 育は、彼に掛かっていた布団をどかし、寝巻きのズボンを、パンツと共に下ろした。大人の形となった弟のモノを見て、育は虚ろな顔で顔を赤らめ、自分のパンツを落とした。 そこはすでに想像できないほどの液で濡れていた。 弟のモノを舐め、大きくなったのを確認して、自分の中へ入れた。驚くほどすんなりと入り、育は体を振るわせた。育は処女ではなかった。彼女の処女は、以前の弟を思った自慰で、失っ ていた。 伸は異変に気づき飛び起きようとしたが、姉が恐ろしいほどの力で彼を押さえつけた。 「お姉ちゃんの処女、伸にあげてられてうれしいよぉ。伸が、私の処女貰ってくれたの・・うれしいよぉ」 虚ろな目で興奮した顔。その不可解な姿んまま彼女は腰を揺らし、自分の中に彼のモノを押し付けた。何かを喋ろうとした弟の唇を強引にふさぎ、舌や唾液を一生懸命舐めながら、腰を揺 らした。 「すごいよ・・・中にいっぱい出てる・・・」 甘く、色の付いた声で、姉が言った。姉の中はコレは絶対渡さないと言った様に、動いていた。 姉が疲れ果て、ベットに倒れこむと、伸は姉がどうにか成ったのではないかと心配し、その体を改めた。脈拍や呼吸は先ほどの性交で高ぶったのを差し引いても普通だった。 昨晩からの一連の事件はなんだったのかと、伸は考えた。姉が錯乱し、そして逆レイプとも呼べる状態で、姉の中に大量に出した。それは倫理的に少々胸を痛めることではあるが、それよ りも伸は大きなことに気づいていた。 錯乱した姉を押さえつけるときの興奮度。包丁を見たとき、体がこわばると同時に脳が鮮明に働くあの感触。 しばらくそんなことを考えていると、育が目を覚ました。 自分の身を改め、状況を確認した後、姉は弟に抱きつき、泣き始めた。 「うれしいよぉ。お姉ちゃんうれしぃよぉ」 泣きじゃくり、体をこれ以上ないほど密着させて来た姉を無意識に抱き、伸はあの高揚感に付いて考えていた。 377 :6 [sage] :2007/02/06(火) 22 35 42 ID nNWoFujZ 後日、伸は、カフェで同僚のあの娘と一緒に紅茶を飲んでいた。 「自分の後方、露店の近くの角。こちらを見ている人が居る」 「育・・・さん・・?」 答えを聞いて、伸はにやりと笑った。 「おかしいよ。包丁で切りかかってきたり襲われたり・・・。育さん、絶対に医者につれてったほうがいいよ」 「お断りだ」 なんで。そう同僚が返した。 「背中に感じるこのゾクリとした感覚。危険を感じ、こわばる体、明確な判断をしようと高回転する自分の思考。その興奮がたまらなく好きになってきている」伸は、軽くこぶしを握った。 「それは、あの姉でしか味わえない。自分をそこまで興奮させてくれる女性は、姉しか居ない」 伸は心底うれしそうに笑った。